学科 学年 |
E5 |
科目, 分類 |
マイクロ波工学
[マイ] |
講義, |
通年 2単位 |
担 当 |
濱屋 進 HAMAYA Susumu |
【内容と目標】マイクロ波は通信工学の分野のみならず、他の分野においても広く利用されるようになってきた。ここではその理論を、回路理論の影像パラメータを基本に考察する。すなわち低周波において電圧・電流・インピーダンスを使った集中定数回路理論と、高周波において入射波・反射波・反射係数を使って解析する分布定数回路理論の橋渡しをするのが影像パラメータであるとしてマイクロ波理論を考察する。 また、授業方法としては知識より、発展する科学技術に対処できるような論理的思考育成に重点をおいて授業を進める 【教科書等】自作プリント 【評価方法】試験成績に、授業への取り組み、積極性を考慮して評価する。 【関連科目】数学,応用数学,回路理論、電磁気学 |
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授 業 計 画 |
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第 1週 波動関数 ejωt±γx
の物理的意味とその取り扱い(入射波、反射波の考え方) 第 2週 反復・影像パラメータによる2ポート回路の表現
第 3週 回路のF、Z、Y行列と反復・影像パラメータとの関係
第 4週 反復・影像パラメータと伝送線の特性インピーダンス、伝搬定数の関係 第 5週 非整合回路における反復・影像パラメータの使用法(反射係数の取り扱い) 第 6週 直流給電における伝送線の過渡現象(反射係数と多重反射の考え方)
第 7週 直流給電における伝送線の過渡現象を利用したパルス発生器 第 8週 前期中間試験
第 9週 高周波給電における伝送線の過渡現象
第10週 高周波給電における伝送線の過渡現象を利用した高周波パルス発生器 第11週 多重反射の概念を使って、伝送線内の電圧・電流を求める。 第12週 反射係数面に反射係数ベクトルを描くことにより、負荷による定在波の波形を求める
第13週 上図がスミスチャートに一致することを確かめ、例題により理解を深める。 第14週 伝送線の途中にインピーダンスを挿入し、透過係数や反射係数を求める。 第15週 上記の例題を行うことにより高周波の散乱を理解する。
第16週 前期末試験
第17週 散乱行列を定義し、それによる回路計算を行なう。
第18週 散乱行列がユニタリー行列になることを示し、その固有値、固有ベクトルを求める 第19週 等方性媒質を伝わる電磁波(
Maxwell の方程式 ) 第20週 等方性媒質を伝わる平面波の性質 第21週 導波管を伝わる電磁波(平面波の合成)
第22週 導波管を伝わる電磁波の性質(TE,
TM mode、遮断周波数) 第23週 方向性結合器、減衰器、マジックT等導波管素子の散乱行列 第24週 異方性媒質の電磁波(フェライトのテンソル透磁率、行列の固有ベクトル、固有値) 第25週 行列の固有値、固有ベクトルによるフェライト中の電磁波の取り扱い 第26週 上記の固有ベクトルの物理的意味としての直線偏波、正・負の回転偏波 第27週 フェライトによるファラディローテータ(行列の固有ベクトル、固有値の物理的意味) 第28週 フェライトを使用したサーキュレータ
第29週 フェライトを使用したアイソレータ 第30週 最終試験 |
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【備 考】第5週までは「伝送回路入門、武部 幹・篠崎寿夫著 東海大学出版会」、第6週〜15週は「電気回路 喜安善市・斎藤伸自著 朝倉書店」、第17週以降は「マイクロ波回路入門、黒川兼行著、丸善」を参考。 |