学科 学年 |
専攻科 ME1 |
科目, 分類 |
応用電磁波工学 [電波] |
講義, |
後期 2単位 |
担 当 |
濱屋 進 HAMAYA Susumu |
【内容と目標】マイクロ波工学で構築された発振器理論、増幅器理論を取り扱う。真空および固体内の電子運動による発振・増幅現象、負性抵抗素子によるリミットサイクル、発振器の外部信号注入同期現象、発振器のPLL制御を、計算機シミュレーションを取入れて講義する。また、授業方法としては知識より、発展する科学技術に対処できるような論理的思考育成に重点をおいて授業を進める。 【教科書等】自作プリント 【評価方法】試験成績に、授業への取り組み、積極性を考慮して評価する。 【関連科目】数学,応用数学,回路理論、 電磁気学 |
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授 業 計 画 |
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第 1週 負性抵抗発振器の動作原理、計算機シミュレーションの観察。
(発振器のリミットサイクルを求め、電圧・電流波形を求める)
第 2週 負性抵抗発振器の動作原理、計算機シミュレーションの観察。
(負性抵抗の特性と共振回路の選択、直流バイアス値および素子値と波形の関係)
第 3週 マイクロ波発振器を実現する上で、発想転換を与えた
B-K 振動管の原理を理解する。
(電子の運動方程式、電子の走行時間、対流電流、誘導電流)
第 4週 B-K 振動管の等価回路を複数求め、どれが適切か討論する。
(電子とマイクロ波電界との間のエネルギーの授受、各種共振回路の考察)
第 5週 最適と思われる等価回路を、計算機シミュレーションする。 (電子運動による電流を、マイクロ波回路方程式に組み込む) 第 6週 等価回路の各種素子の値を変えてシミュレーションし、考察をレポートにまとめる。 (目的周波数、負荷が与えられた場合、適切な共振回路のQ値を考察する) 第 7週 直進・反射型クライストロンの増幅・発振原理を理解し、計算機シミュレーションを観察。 (速度変調、電子の集群作用、電子とマイクロ波電界との間のエネルギーの授受) 第 8週 マグネトロンの発振原理を理解、計算機シミュレーションを観察。 (直交静電磁界中の電子の運動、電子とマイクロ波電界との間のエネルギーの授受) 第 9週 IMPATT
ダイオード発振器の動作原理 (p+n ダイオード) (なだれ現象、電界分布、電子とマイクロ波電界との間のエネルギーの授受) 第10週 目的周波数からダイオードの空乏層の厚さを求め、n層不純物密度より降伏電圧を算出。 IMPATT
ダイオード発振器の計算機シミュレーションの観察。
第11週 Gunn発振器の原理、電気2重相モードとLSA
モードの理解 (計算機シミュレーションの観察) 第12週 周波数変換器、パラメトリック増幅器の原理と応用 (Manley-Lowe
の法則を光量子保存則から導出) 第13週 発振器の外部信号注入同期現象の解析、計算機シミュレーションを観察。 (発振器の非線形特性を定振幅特性で表現して、同期現象を理解)
第14週 発振器のPLL制御回路の解析、計算機シミュレーションを観察。
(発振器の非線形特性を定振幅特性で表現して、同期現象を理解)
第15週 試験 |
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【備 考】マイクロ波真空管の理論については「マイクロ波真空管とその回路、西巻正郎著、オーム社」、固体発振器については「固体マイクロ波素子、植之原道行・今井哲二著、工業調査会」を参考。シミュレーションは自作のものを使用。 |